方向音痴の話

お知らせ

私は方向音痴だ。

旅行で行く観光地や、有名スポットは自治体が最寄り駅の時点で親切にわかりやすく看板を掲げていたりするので、大方迷わずに辿り着ける。

しかし、待ち合わせや打ち合わせで「〇〇ビル」や、チェーン店以外の小さな飲食店などを指定されると、もうダメ。

地図アプリを使っても、およそ2回に1回は真っ直ぐ辿り着けない。迷うのだ。

スマホで目的地へのアクセスを調べ、「〇〇駅の〇番出口から徒歩5分」とあっても、30分以上さまよったことがある。

コンビニの店員さんに、路面電車の停留場はどちらですか?と尋ねて、出口を左に進んだらすぐですよと教えてもらいながら、線路と平行にいつまでも進み、目的の停留場に着けなかったこともある。

空間認識能力が低いというごもっともな理由はもちろんなのだが、もうひとつ、致命的な欠点がある。

私は、立ち止まらないのだ―――。(イケメン!)

あれこれ思ってた道と違うな?とか、今ここどこだ…と思っても、立ち止まらない。とにかく進んでみちゃう。

もうどうにもならん…!となった時に、初めて立ち止まり、改めてスマホで地図を確認する。

違和感や疑問を感じた時点で大抵道を間違っているので、大体元来た道を戻ることになる。

おかしいと思ったらすぐ立ち止まれば良いのに。とどまる事を知らない時間の中でいくつもの移りゆく街並みを眺めてしまうんだ…(イケメン!)

ただ私は、ここで反省しない。

運動になったからまぁいいか!と思ってしまう。

まぁいいかではない。問題を直視せず、改善しようとしないからいつまでも同じことを繰り返し続けるのだ。一見ポジティブに見えるが、進歩が無いのだから、ポジティブでも何でもない。現状維持はむしろ退化だ。救いようがない。

でも、ほら、運動になるから!いっか!☆\(^o^)/

あともうひとつ、空間認識能力が低いがために起こる日常での支障がある。

ぶつかるのだ。

ソファにテーブルに扉に角に頭に胴に腕に脚に。

立ち止まっていようが歩いていようが、1日3回は、気を付けようが気を付けまいが、何かしらぶつかったりぶつけたりして大きな音を出す。

高校入試の面接でも、終わって立ち上がり振り向いた時に椅子を蹴った。(そのまま出て行った)

居酒屋でお手洗いから戻って来て、壁側の席に座ろうと俯いて壁に頭をぶつける。

もうね、しょうがない。しょうがないんだ。努力だけじゃどうにもならないことも世の中にはあるんだッ!

だから、私のことは哀しきルンバだと思って接してほしい。

終わり。

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