~前回のあらすじ~
忍者憧れミクティーヴは、PS2の「忍道 戒」をクリアできず、忍者魂を諦めようとしているッ!一体全体どうなっちゃうの!?世界一どうでもいいな!ね!ハム太郎!
前回の「忍者の話」はこちらから
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ある日、友人と2人で昼から遊んでいた。
友人が、夕方に人と会う用事が一瞬あり、近くなので少しだけ付き合ってほしいとのことだったので、時間まで街を何となくブラブラしながら、待ち合わせ場所まで向かった。
待ち合わせは、よくわからない小さい観光案内所のような場所だった。
地味な珍しいところで待ち合わせするものだなと思い、壁際にある全然興味がないパンフレットのようなものを眺めながら、友人の用事が終わるのを待っていた。
どうやら待ち合わせ相手が来たようだ。細身の男性が近くに来てこう言った。
「この度は忍者教室にお申し込みいただきありがとうございます。」
ええ?なんやて?友人の顔を見る。
「忍者教室申し込んどいたから」
えっっ!!!!!何ですかそれぇ!!!
友人が私にサプライズを用意してくれていたのだ。誕生日でもないのに。
さぁ、心ときめく忍者ナイトの始まりだ!!!―――
案内人のハイエースに乗り込み、忍者教室の現場に着いた。
中は薄暗く、受付があり、横には忍者お土産コーナーもある。ちょっと俗っぽくてイイネ!(^_-)-☆
奥に和室があり、そのまた奥は、的(まと)などが置いてある忍者トレーニング場になっている。
まずは黒い忍者服がレンタルされ、それに着替える。ハチマキや腕・脚サポーターもあり、結構それっぽい忍者服だ。
この時点でもう憧れの忍者服が着られて、かなり満足しちゃってます!
和室に移動し、受付にいた、俳優の矢本悠馬くんを強そうにした感じの講師がやってくる。
軽い座学から始まり、印の結び方や仕掛け扉の使い方などを順番に学んでいったのだが、次の講義での講師の話で、私に稲妻が走る。
忍者は、自らが忍者だということを隠すために、忍んで生きるよりも、むしろ様々な芸を磨いて表の世を欺きながら生活していたらしい。つまり、忍者はエンターテイナーだったというのだ。
(それ、アタイのことじゃん!!)
恥ずかしながら、私は高校では音楽系の部活に入って定期ライブに出たり、路上ライブをやったり、大学の学祭では、友人たちとものまねメドレーでステージ発表に出るような人間だった。
あ~…やっぱり、私忍者だったんだ…。
短絡的思考により、ミクティーヴは忍者魂を取り戻したのだッ!!!!!!!
その講義の実践として、小刀が仕込んである笛を吹きながら(鼻歌で)、突然の敵に対処する、という練習をすることになった。こんなもん、お茶の子さいさいッス!忍者ですから。
その時の動画を友人が撮ってくれたものが残っていた。再生すると、仕込み笛を手に私は「マツケンサンバⅡ」の鼻歌を歌い出した。
すると敵役の講師が「タイガーマスク?」と聞くので、友人がすかさず「マツケンサンバ!Ⅱ、Ⅱの方ですね」と返していた。
くちゃっとした、30秒ほどの心和む動画だった―――。
ちなみにその友人は、カラオケに行った時、「マツケン・マハラジャ」を歌ってくれたことがある。
ともかく、私はそこで忍者としての魂を取り戻したので、その後の綱渡りや、ボルダリングのような身体的な忍術が全然できなかったことはすっかり記憶から消した!
そして、忍者教室が終わった。
謎タイミングでのサプライズを敢行してくれたオモシロ友人のおかげで、私は再び憧れを取り戻す事ができた。
そのことも嬉しいことなのだが、初めての体験をさせてもらうことで、自分の中に新しい風が吹いたことが一番の収穫だった。何より楽しかったし、気分転換、ストレス解消にもなり、なんとなく心が軽くなったのだ。
こんな感覚を知るきっかけをくれた友人に、とても感謝している。
まだまだこの世にはおもしれぇことがたくさんありそうなので、タイミングを見てまた新しいことをやってみたいと思う。
終わり。

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